【ポーランド・ソポト】
ウインドサーファー尾川潤の第19回目のコラム
『ポーランド・ソポト』
海外遠征コラム第14弾は、ポーランドで行われたヨーロッパ選手権に参戦するために、前回のデンマークからそのままの移動となりました。今回の移動は、道具を車に積み込んでコーチスタッフが陸路で約1000kmの距離を運んでくださいました。私たち選手は、飛行機に乗り継いでグダニスク空港を目指します。空港でコーチスタッフの車にピックアップしてもらい、大会会場となるソポトという町へ向かいます。
ソポトという町は、ポーランド北部のバルト海に面する港町で、夏になるとポーランド最大のビーチリゾートとしてにぎわいます。そんなのどかなこの街も、歴史的にはとても感慨深い場所でもあります。ここソポトは目まぐるしく領土の奪い合いがあり、第二次世界大戦発祥の地とされ、町の90%が破壊されました。大会期間中の休みの日には、現地のポーランドの選手の人がそんな歴史を熱く語ってくれて、当時の面影もないとても綺麗な街並みを観光しに連れ出してくれました。
今回の宿泊先は、大会会場の近くに単身で借りていたのでスタッフの送迎も道具を積み下ろすところで終了となりました。そこからは持参したスケートボードでの通いとなります。期間中の食料調達も近くのスーパーマーケットまでこれでスイスイと海外遠征ではもう慣れたものです。
まずは道具置き場の場所取りから準備を整えてから、宿泊先にチェックインです。宿は3ルームあるアパートを貸切予約していました。オーナーがポーランド語しか喋れなくて全然話が通じないのですが、どうやらダブルブッキングしていたようで、お金を返すから1泊だけ他人とルームシェアをしてほしいと言われました。よくわからず了承してしまったのですが、なんとその日に泊まりに来たのが若い金髪美女3人組でした。日本男児1人はドキドキが止まりません。その時までは。海外の若者たち怖いものです。お酒を飲んで帰ってきて夜遅くまで騒いで、隣の部屋の私はたまったもんじゃありません。さっきまでのドキドキがイライラに変わります。プライベートなら楽しそうな夜もこちらは一応大会を控えた選手の身。我慢して布団をかぶって寝ることに。そして翌朝の練習から帰ると、彼女たちの部屋に空き缶やボトルが置き去りになった中になぜか一本のバラが。どこかの男に口説かれてもらったのでしょうか。昨晩の騒音から想像が膨らみます。空きボトルに水を入れそのバラを飾り、一人眺めるのでした。