フィンランド
ウインドサーファー尾川潤の第13回目のコラム
『フィンランド』
海外遠征コラム第8弾は、2016年のヨーロッパ選手権で北欧の国フィンランドの首都ヘルシンキに遠征した時のお話です。
前回のブラジル遠征から、自分の誕生日だけは日本で過ごしたかったので、それに合わせて一旦日本に帰国してすぐ翌日にはまたヨーロッパに渡るという弾丸ツアーとなりました。この短期間で地球を4分の3周した自分のポテンシャルにびっくりです(笑)
北半球の高緯度に位置するフィンランドでは、この6月〜7月が一年で最も日が長くなる時期で、23時ごろまで日が落ちずに明るい時間が続き、またすぐに日が昇るという白夜を体験することができました。夜というものがほぼ来ないので、普段なら夕飯を食べている時間に、外の芝生で日光浴するカップルや公園で子どもと遊びまわる家族がたくさん居て、のんびりとしたこの生活スタイルに憧れをいだきました。平日の夜に仕事が終わってからも外に遊びに行けて、こんなに1日を長く有意義に過ごせる場所があったんだ、と初めて知りました。
しかし、普通の生活をしていくだけなら理想的な生活リズムかもしれませんが、僕らはウインドサーフィンの大会に出場しに来た身としては、とても過酷な環境でした。日が沈まないおかげで夜も眠くならないし、寝たとしても朝日で夜中の変な時間に目覚めてしまうし、体内時計のリズムがおかしくなりました。
また今回の大会前の1週間は別会場で練習をしなければいけないことを現地で知らされ、その場所が自転車でも片道30分以上かかるところでした。大会会場に合わせて歩ける距離に宿を取っていたので、自転車なんて持ってきていませんでした。前日の誕生日プレゼントに自分へのご褒美で購入したスケートボードを念のため道具と一緒に忍ばせていたのが、まさかここで役に立つとは思いもしませんでした。自転車を持ってきていたチームメイトの肩につかまり、毎日往復1時間のサイクリングで大変な思いをしました。(僕はただ引っ張ってもらっていただけですがw)
フィンランドでの休日の楽しい方といえば、何と言ってもサウナです。海辺のカフェやレストランにはサウナが併設されているところがたくさんあります。早速水着に着替えて、お酒を飲みながら男女混浴でコミュニケーションをとることができます。そして熱くなってきたら、海へと伸びるはしごでみんな海へ飛び込むのです。こうして、また新しい文化を体感することができたのでした。