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ブラジル・リオデジャネイロ

ウインドサーファー尾川潤の第12回目のコラム
『ブラジル・リオデジャネイロ』
 海外遠征コラム第7弾は、2016年のリオ・オリンピックの女子日本代表選手の練習パートナーとしてオリンピック直前の現地リオデジャネイロへ遠征したときの、アスリートの裏側のお話です。
 ご存知の通りブラジルは地球の真裏に位置するため、12時間かけてヨーロッパへ渡り、また12時間かけてブラジルに渡るルートで向かいました。旅にはトラブルが付き物なのは承知していましたが、今回はこれまでで一番辛い旅路でした。ドイツのフランクフルトで4時間のトランジットを待って深夜便での移動だったのですが、その便が機材トラブルで飛ばなくなり翌日のフライトに変更となりました。そのアナウンスが流れた時には既に0時を回っていました。長距離移動と長時間待機で疲れ果てた体は限界を迎えていました。そこからがこの旅の始まりです。一度空港をチェックアウトして入国するためと翌日のフライトチケットを取るためにカウンターの大行列に並び、航空会社が用意してくれたホテルに着いた頃にはもう2時でした。翌朝のフライトも近づいていたのでベッドに倒れ込むように寝ました。数時間の仮眠ののち、旅の続きが待っています。移動のタクシーの清算でも一悶着があり、離陸時間ギリギリまで航空会社と揉めて(後日日本に帰ってからもやりとりは続き)、ブラジルに着いてからも宿泊先までの大渋滞の中、物乞いの若者たちが窓から中を物色してきたり、色んなことを一度に経験しすぎて頭の処理能力が追いつきません。そして丸二日かけて移動した次の日には、練習のために海に出なければいけなかったのですが、もう体も頭も働いていなかったのでしょう、普段は絶対しないのに頭から海に落ちてずぶ濡れになってしまいました。クソがつくほど汚い海へ。。テンションが下がるというか、自分がここで練習しに来た意義がわからなくなるほど気持ちが落ちていました。ブラジルは治安が悪く、夜一人で外を歩くのも禁止だったり、昼間でもギャングに囲まれる可能性があるので橋を渡る時は複数人でなければいけなかったり、生活しているだけでもストレスのかかる街で、なかなか心休まるときがなかったのを覚えています。
 そんな警戒心を持って臨んだブラジル遠征では何事もなく、日本に帰って地元和歌山に着いたあとに事件がありました。道路に警戒線が張られて警察や消防、報道陣がたくさん集まっていて何事かと思ったら、銃殺事件が起きていて、いや日本の方が危ない国やん、と思わずツッコミを入れてしまいました。

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