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コロナ渦の大会を見て

さてコロナ禍にある現在ですが、我々空手界においても現在少しずつですが大会が再開されています。コロナ禍にあるこの時期に大会を開催して良いのかの議論はさておき、空手界における最大級流派主催の全日本大会を観戦しましたので感想をコラムに書きたいと思います。

 まずはじめに感じたことはこのコロナ禍においてアスリートとして、また選手としていかにこの時期の調整・過ごし方が難しいか、です。体のキレ、試合への意気込みなど全てにおいて選手全体的にやはり仕上がってはいない印象を受けました。もちろんその中でも仕上げてきた選手もいましたし、さすがだなと感じることもありました。しかし何度も言いますが、全体的にみて仕上がっていない…というのが一番の本音であり感想であります。

 さて具体的に仕上がっていないとはどういったことなのでしょうか。まずはスピードです。明らかに突き・蹴りのスピードが遅くキレがない選手が多く感じました。もう一つはスタミナです。空手の試合では一回戦・二回戦と試合が進むにつれて力が均衡し引き分けが多くなります。しかし実践を残している選手は延長・再延長でもなかなかスピードやパワーが落ちず、むしろラッシュ(ラストスパート)をかけてくる選手までみられます。ですが今回の試合においてはなかなかそれが見られず、有名どころの選手でさえも勝負どころでギアが上がりきらない場面が多く見られました。

 このことから、試合では大波乱が起き続けました。ダークホースの出現です。しかもベテラン選手や名前が売れている選手ではなくルーキーに近い若手の台頭です。若手の選手がなんと有名どころの選手に対して勝つ場面が多く見受けられました。答えは簡単です、練習量です。勝つのは実践のある社会人プレイヤーより、年がら年中ある程度動いている若手・学生と言うことです。コロナ禍の中、生活もままならず不安に怯え過ごした社会人と学校がなくなりその分自主練などに時間を割くことができた学生。結果は当然でしょう。それでなくても社会人の選手はオフシーズンを作りがちです。オフがあるからシーズンを乗り切れるのかもしれません。しかし学生はオフなどは比較的なく、年がら年中ある程度の練習量をこなしています。この差がハッキリと結果に出たのだと私は考えます。

 よってベスト8には主催流派ではなく他流派からの入賞が数多く見受けられました。結果的には他流派的には万々歳の全日本大会だと言えるでしょう。しかし内容をみればそうは言い難いと私は感じます。本当に強い選手は一回の試合だけ、一年の試合だけでなく毎年のように結果を残してきます。今回の試合ではそういった結果を出し続ける若手の台頭ではなく、あくまで運だと私は感じます。運も実力のうちだと考える方もいらっしゃいますが、私もそうだと思います。しかしどの選手もできれば長い期間結果を、優勝をしたいと考えるのは当然のことでしょう。そのためにも今回結果が出た若手や選手の方々には驕らず、来年再来年と今年以上の結果やより良い試合・成長が出来ることを願っております。

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