ストレングス、強みに着目する
皆さん「ストレングス」を知っているでしょうか?ストレングスとは患者が持つ夢や希望の実現に役立つ「ストレングス(強み)」を活用して生活を支援する技法であります。私は現在看護学生でもあります。そのためこのストレングス・強みを生かすという言葉が頻繁にでてきます。自分の強みを生かすことが成功につながるのではないかと私は考えます。
空手業界では指導をする際に、その生徒の弱点をカバーする指導方法・そしてお話しした強み、つまりストレングスに着目する指導方法が用いられます。基本的には前者の弱点をカバーする方法がよく選択され、まとまった能力の選手が育成されがちだと私は感じています。まれに後者のストレングスに着目する指導方法を掲げる指導者・先生方はいらっしゃいますが、その理由を説明出来る方も少なくこの指導方法は広まっていないのが現状だと私は考えております。
さて、ではなぜ強みに着目するのでしょうか。簡単にお話しすると、その人の強みを伸ばしていく方が試合の際に相手との差をつけやすいためというのが理由の一つにあります。なぜ差をつける必要があるのか、もちろんそれは競技だからです。必ず勝敗を決める競技において相手に差をつける方法は絶対であります。例えばですが、パワー・スタミナ・スピードと3つの項目があるとします。全て10段階評価であらわすとパワー・スタミナ・スピードが5の選手に対し、その3つの項目が6の選手とが試合をすると仮定します。もちろん、なかなか差がつきません。差は全て1レベルのためです。しかし、パワー8・スタミナ5・スピード5の選手と比較するとどうでしょう。合計すると3つのレベルは同じ18ですが、差があるように感じませんか?審判をする立場からすると、実際に試合を行うと差がみつけやすいのはこの上ありません。我々の競技はポイント制ではなく、人の間隔による判定制のため差を見るのは当然と思われます。
また他にもストレングスに着目する理由はあります。ストレングスに着目すると弱点さえもストレングス・強みになり得る可能性が高いのです。仮にパンチが得意な選手がいたとしましょう。その選手のパンチは威力があり、相手に対してとても有効です。しかし弱点として強いパンチを打つためにフォームが大きく相手からパンチをくるタイミングがわかりやすい。さあこの選手の強みに対して私ならパンチにカウンターを合わすことを行うでしょう。強いパンチを打つことができるが、カウンターをもらいやすい。これがこの選手のストレングスと弱点です。しかし、この弱点をストレングスに変えることが出来るのです。カウンターにカウンターを合わせるのです。はなからカウンターを合わされやすいことは諦めます。弱点にピントを置きカウンターを合わされないようにコンパクトなパンチを意識してしまうとその子のストレングスが無くなってしまいます。これでは本末転倒ですよね?その子のストレングスを生かすために弱点を突かれる際の返し技を覚えること、先程のカウンターにカウンターを合わすことで弱点であった大振りのパンチは試合上での駆け引きのエサになり、するとどうでしょうストレングスになりましたね。つまり弱点がストレングスになりかわったのです。ストレングスをどんどん伸ばしていくことは、どんな状況・相手に対してもその強みを活かせることに繋がります。
よって、この2つの理由からストレングス活かす指導方法が良いのではないかと私は考えるわけであります。