【筋力トレーニングで強くなる人、弱くなる人 】
さて、フルコンタクト空手にはたくさんの派閥・流派があります。以前は違う流派・派閥の選手とは犬猿の仲であり、コミュニケーションすらとらないと言う風潮がありました。しかし現在では緩和されつつあり、お互いを高め合う良いコミュニケーションが出来ることもあります。私とは違う流派・派閥のチャンピオンと筋力トレーニングについて意見交換をしたのでコラムに書きたいと思います。
タイトルにあるように「筋力トレーニングで選手は強くなるのだろか?」というお話です。結論から言うと、強くなります。しかし大半の選手は弱くなってしまうことが多い気がします。なぜならば筋力トレーニングにハマってしまうからです。ハマるのであればいいじゃないか、という声があるでしょう。ですが良いことばかりではないのです。筋力トレーニングをすればするほど筋肉量は増え、身体は大きくもしくは引き締まるでしょう。しかしこう言ったメリットばかりではありません。頭を使って筋力トレーニングしなければいけません。また、空手の練習を疎かにしてしまってはいけません。
デメリットをあげると、空手の練習をしなくなる。これが一番でしょう。時間は有限です、もちろん限りがあります。毎週空手に10時間使っていたとしましょう。そこに筋力トレーニングが入ると空手の練習時間は確実に減っていきます。また筋力トレーニングにより自らの身体に自信がつきます。これが良くない方向に回る可能性があるのです。なんだと思いますか?答えは無駄な自信です。身体に自信がつくことにより空手に対する時間はより減ってしまいます。また一番大事な考える時間もなくなっていくでしょう。一つ一つの技に対する手順や方法、コンビネーションなどつまり持論について考える時間が減ってしまいます。さらには対戦相手に対する情報をとり作戦・プランを考える時間も減る可能性が高いでしょう。「筋力がこれだけ着いたから自分は大丈夫」などと間違った自信が空手を弱くさせる一番の理由だと私は考えます。はっきり言います。「ベンチプレスを200キロあげたからと言って多くの人は200キロのパンチを撃てません。」
多くの選手が間違え、弱くなるところを私はたくさんと見てきました。空手のことを考えずに筋力トレーニングハマってしまうのは本末転倒です。筋力トレーニングにより減ってしまう空手の練習量を補うためにさらに質の高い考えや練習が必要になってくるでしょう。
まとめていきます。筋力トレーニングはうまく使用すれば確実にプラスになります。しかし空手の練習・空手のことを考える時間が減ってしまう為逆に弱くなってしまうことが多いでしょう。よって強くなるために筋力トレーニングをするならば、そのためにより質の高い練習や競技に対する考えが必要になるでしょう。
以上、他派閥・流派のチャンピオンと話した筋力トレーニングについての意見でした。良ければ筋力トレーニングをする際に参考にしてみてください。